昭和57年、夏。台風の夜、山深くの洋館「根堅館」に旅行客が訪れた。
絵画は悩める羊を見下ろし問いかける。
求めた答えは見つかるのか、それとも待つのは災厄か。
われわれは何処から来たのか
われわれは何者か
われわれは何処へ行くのか
―――そしてまた、人が死んだ。
むかしむかし、あるところに、たいそう美しいおひめさまがおりました。おひめさまは早くから母親を亡くしたものの、愛情深い父王さまのもと、すくすくすこやかに育ちました。
しかし平和はながくつづきません。ある日、よいやみの国からわるいまじょが訪れます。まじょは国中にのろいとわざわいを振りまき、ついにおひめさまを攫ってしまいました。
たかくそびえる「ねじくれ塔」の上に閉じ込められてしまったおひめさま。しもべが扉を守り、外に出られません。けれども、おひめさまはへっちゃらです。王子さまを待つでもなく、脱出を決意したのでした。もちろん、しもべは慌てます。はたしておひめさまは塔の外に出て、父王さまを助けることができるのでしょうか?
はじまり、はじまり―――